第1章
発信力の正体 — 再生数は、影響力ではない
「発信力があれば成功する」という言葉は、半分正しく、半分間違っている。発信力にはいくつもの種類があり、そのすべてが影響力に変わるわけではないからだ。この章では、私たちが現場で繰り返し確認してきた「発信力と影響力の違い」を、できるだけ具体的に解剖していく。
発信力はコモディティ化した
スマートフォン一台あれば、誰もが世界に向けて発信できる時代になった。撮影機材も編集ソフトも、かつてはプロにしか扱えなかったものが、今では無料あるいは低価格で手に入る。その結果として何が起きたか。発信という行為そのものの希少性が失われたのだ。十年前であれば、発信できるというだけで一定の注目を集められた。しかし今、発信は前提条件になり、差がつくのはその先、つまり「何を発信するか」「誰に届き、誰を動かすか」という部分に移っている。
私たちのもとには日々、「フォロワーを増やしたい」「バズる動画を作りたい」という相談が寄せられる。もちろん、数字を伸ばす技術そのものは重要だ。しかし、私たちが必ず問い返すのは、こういう質問だ。「その数字が伸びた先に、あなたは何を実現したいのですか」。この問いに答えられない発信は、たとえ一時的に再生数を稼いでも、事業にとっての資産にはならない。
再生数と影響力は、別の指標である
ここで、私たちが本書全体を通じて最も強調したい前提を明確にしておきたい。再生回数やフォロワー数は、影響力の指標ではない。それらはあくまで「どれだけ多くの人の目に触れたか」という到達量の指標であり、「その発信によって、どれだけの人が実際に行動を変えたか」という影響量の指標ではないのだ。
例えば、あるエンターテインメント系の動画が100万回再生されたとする。多くの人がこれを「影響力がある」と表現するが、私たちはここで立ち止まる。その動画を見た人のうち、実際に発信者の言葉を信じて商品を購入したり、イベントに足を運んだり、仕事を依頼したりした人は何人いたのか。仮にその数がごくわずかであれば、それは「認知力」はあっても「影響力」があるとは言えない。認知と影響は、似ているようでまったく別の力だ。
追加フォロワー数で考えると、さらに分かりやすい。仮に、フォロワーが100人しかいなくても、何かをお願いしたときに100人全員が動いてくれるとする。一方、フォロワーが1万人いても、動いてくれるのは100人だとする。このとき、100人のフォロワーを持つ人と1万人のフォロワーを持つ人の影響力は、イコールだとも言える。分母の大きさが重要なのではない。人を動かせる総量こそが、影響力の指標なのだ。
確認11実例を一つ挙げよう。令和の虎のチャンネル登録者は、開始から3年間、約15万人で止まっていた。それが、切り抜き動画が広がり始めた途端、1日に1万人ずつ増えるようになった。番組の中身が変わったわけではない。届き方が変わっただけで、数字はこれほど急変する。つまり数字の伸びは、コンテンツの価値や信頼の蓄積とは別の力学で動くということだ。この現象を自分たちの現場で目の当たりにしてきたからこそ、私たちは断言できる。数字そのものは、影響力ではない。
私たちが現場で使う、非常にシンプルな問いがある。「この発信者が明日イベントを開催すると発表したら、何人が会場に足を運ぶだろうか」。この問いに対する答えの大きさこそが、その人の実際の影響力だ。再生数が少なくても、発表した瞬間に数百人が動くアカウントがある。逆に、再生数が桁違いに多くても、実際に人を動かす力がほとんどないアカウントも存在する。この差を生んでいるのは、発信の量ではなく、発信に蓄積された信頼の量だ。
信頼される発信力だけが、影響力に変わる
では、なぜ同じように多くの人に届いている発信でも、片方は影響力になり、片方はならないのか。私たちの答えは明確だ。受け手が「この人の言葉なら信じられる」と感じているかどうか、この一点に尽きる。
信頼は、一朝一夕には積み上がらない。発信内容に一貫性があること、発言と行動が矛盾しないこと、都合の悪い情報も隠さずに扱うこと、専門領域において継続的に価値を提供し続けること。こうした積み重ねが、視聴者の中で「認知」を「信頼」へと変質させ、やがて「信頼」が「影響力」へと結晶化していく。逆に言えば、どれだけ表面的なテクニックで再生数を伸ばしても、この信頼の蓄積というプロセスを飛ばすことはできない。
エンタメで再生数だけ取れても、信頼がなければ、それは影響力ではない。本書
私たちが審査や育成の現場で繰り返し目にしてきたのは、次のようなパターンだ。刺激的な演出やトレンドへの便乗で一時的に数字を伸ばした発信者が、いざ自分の商品やサービスを紹介した瞬間に、驚くほど反応が得られない。理由は単純で、視聴者は「エンタメとしてのその人」を消費していただけで、「意思決定の参考にする対象」としてその人を見ていなかったからだ。娯楽としての注目と、信頼を伴う影響力は、まったく別のレイヤーにあるのだ。
POINT
発信量や到達量だけを追いかけても、影響力は自動的には生まれない。影響力とは「発言によって、実際に人を動かせる力」であり、その源泉は一貫した信頼の蓄積にある。
「何人動かせるか」という物差しを持つ
ここまでの議論を、実務に落とし込むための物差しを提示したい。私たちは発信を評価するとき、次のような問いを立てることを勧めている。
- もしイベントを告知したら、何人が実際に申し込むか
- もし新商品を紹介したら、何人が購入を検討するか
- もし協業や採用を呼びかけたら、何人が名乗りを上げるか
- もし「これは信頼できる」と一言添えたら、その対象の評価はどれだけ変わるか
これらはすべて、再生数やフォロワー数という到達量の指標では測れない。しかし、事業にとって本当に価値があるのは、まさにこの「動かせる人数」なのだ。仮に、フォロワー数が同程度の二つのアカウントがあったとしても、一方は告知一本で百人規模のイベントを満席にでき、もう一方はまったく人が集まらない、ということは現実に起こり得る。この差こそが、発信力と影響力を分ける境界線だ。
次の章では、この影響力という力を、実際にどう事業へと活用していくのかを見ていく。影響力の使い方には、大きく分けて二つの道がある。自分自身で発信媒体を育てていく道と、すでに影響力を持つ他者の力を借りる道だ。この二つがどう機能し、どう組み合わせるべきなのかを、順を追って整理していこう。
第2章
発信力の使い方 — 持つか、借りるか
影響力を事業に活かすと聞くと、多くの人は「自分自身がインフルエンサーになること」を思い浮かべる。しかし、それは選択肢の半分にすぎない。私たちが現場で見てきた成功パターンには、もう一つ、見落とされがちな道がある。
影響力の活用は、二つの道に分かれる
私たちはこれまで、発信力をどう事業に変換していくかという相談を数多く受けてきた。その中で整理にたどり着いたのが、非常にシンプルな分類だ。影響力の活用方法は、大きく分けて二つしかない。一つは、自分自身でSNSという媒体を運営し、影響力を保有すること。もう一つは、すでに影響力を持つ他者とコラボレーションし、その人に紹介してもらうことで影響力を借りることだ。この二つは、どちらが優れているという話ではなく、性質もコストも時間軸もまったく異なる、別々の手段である。
影響力を「持つ」という選択
自分自身で発信を続け、影響力を保有していく道は、時間はかかるが、一度築いた信頼は他者に依存しない資産になる。誰かのアルゴリズムや気分に左右されず、自分の言葉で、自分のタイミングで発信できる自由度は、長期的に見れば非常に大きな価値だ。仮に月に数本の発信を一年続けたとして、その積み重ねが二年目、三年目にどう複利のように効いてくるかは、実際に継続した人にしか見えない景色である。
ただし、この道には明確な弱点もある。時間がかかること、そして初速が出にくいことだ。事業には往々にして「今すぐ結果が欲しい」という局面がある。新商品のローンチ、資金調達のタイミング、採用の締め切り。こうした場面において、ゼロから育てた媒体だけに頼るのは現実的ではない。
影響力を「借りる」という選択
そこで重要になるのが、もう一つの道だ。すでに信頼を蓄積している他者に自分を紹介してもらう、いわば影響力の「他己紹介」である。これは単なる広告出演とは異なる。発信者自身が積み上げてきた信頼という土台の上に、あなたやあなたの事業が乗せてもらう、という構造だ。
ここで多くの人が誤解しているのが、コストの捉え方だ。「自分に発信力がないなら、まず自分で育てるべきだ」という考え方は一見正しく聞こえるが、事業のスピードという観点では必ずしも最適ではない。自分自身のインプレッションや再生数がまだ十分に取れない段階であれば、すでに多くの人に届いている発信者に対価を払って出演し、認知を一気に引き上げるという打ち手は、極めて合理的な投資だ。私たちはこれを、時間を買う行為だと捉えている。
もちろん、ここで払う対価は安いものではないかもしれない。しかし、事業を仮にゼロから自力で同じ認知量まで育てるとしたら、どれほどの時間と労力がかかるかを考えれば、その対価が決して高すぎるものではないことが見えてくる。影響力は、お金で完全に買えるものではないが、影響力を持つ人の「信頼の一部を貸してもらう」ことは、正当な対価を払えば可能だ。この視点を持てるかどうかが、事業のスピードを大きく左右する。
影響力は、育てるか、借りるか。本当に賢い者は、その両方を同時に行う。本書
結論 — 両方をやるべきである
私たちがこの章で伝えたい結論は、非常にシンプルだ。「自分で育てるべきか、借りるべきか」という二者択一は、そもそも問いの立て方が誤っている。正しい問いは、「どの局面で、どちらをどれだけの比率で使うか」である。
- 短期的に認知や信用が必要な局面では、影響力を持つ他者の力を借りる
- 並行して、長期的な資産となる自分自身の発信を、地道に積み上げ続ける
- 借りた影響力によって得た注目を、自分の媒体への流入に変換する
- 自分の媒体が育った段階では、今度は他者に影響力を貸す側にも回る
この循環を意識的に設計できている事業者や個人は、そうでない場合と比べて、驚くほど速いスピードで結果にたどり着く。逆に、どちらか一方に固執してしまうと、育成の遅さに焦れて事業機会を逃すか、借り物の注目に依存し続けて自分自身の資産が育たないまま終わるか、いずれかに陥りがちだ。
POINT
影響力は「持つ」か「借りる」かの二択ではなく、両方を局面に応じて組み合わせる設計思想だ。借りた影響力は初速を生み、自分で育てた影響力は長期の資産になる。
ここまで、私たちは共著者として、発信力と影響力の違い、そしてその活用の原則という土台を整理してきた。ここから先は、私たち三人がそれぞれの現場で実際に何を行い、何を見てきたのかを、それぞれの実例とともに伝えていく。SNSという媒体そのものを事業化してきた視点、ブランドを共同創業し発信を信用へと変えてきた視点、そして無数の挑戦者たちの事業を審査する立場から影響力の有無がもたらす結果の差を見続けてきた視点。それぞれの章で、あなた自身の状況に最も近い実例が見つかるはずだ。
第3章
他人の影響力を借りて、爆速で拡大する — そして、自分のIPを持つ
入江巨之は、連続起業家である。ReZARDの共同創業者であり、番組IP「Nontitle」の主宰者でもある。17歳で起業してから、もうすぐ24年。物販、食品流通、D2C、インフルエンサープロデュース。扱う商材も肩書きも変わり続けてきたが、入江がやってきたことの本質はひとつしかない。それは他者の影響力を借りて事業を最短距離で拡大し、最終的には自分自身のIPを持つということだ。ReZARDの共同創業、番組IP「Nontitle」の運営、そしてJPBSでのパートナー活動。今の彼を形づくっている3つの柱は、すべてこの一本の線の上にある。24年という時間の大半は、他人の力を借りることに費やされてきた。だが、その先にしか見えない景色があった。
17歳、焼酎とクリーニングから始まった商売感覚
最初の商売は、高校3年生のときだった。長崎の実家近くにあった焼酎が、東京に持っていくと驚くほど高値で売れることに気づいた。ただ右から左に流すだけでは面白くない。実家がクリーニング店を営んでいたので、古着を仕入れて「クリーニング済み・ビニール包装」という付加価値をつけて売った。同じ商品でも、見せ方ひとつで価値が変わる。この転売事業だけで年商約5,000万円に達した。
19歳のときには物販事業が年商約3億円まで伸びていた。このとき入江がやっていたのは、単なる「売る」作業ではない。ヤフオクの購入履歴を見て、顧客の嗜好別に約1,000人のリストをつくり、一人ひとりに合わせて個別にDMを送っていた。今でこそCRMやリストマーケティングという言葉が当たり前に使われているが、当時の彼はその概念すら知らないまま、感覚だけでそれを先取りしていたことになる。
振り返ってみると、この時期に体に染み込ませたのは「相手を見て売る」という当たり前のことだった。誰に、何を、どのタイミングで届ければ心が動くのか。マーケティング理論を学問として学ぶ前に、現場で1,000人分の反応を浴びながら体得した感覚は、その後の入江のすべての事業判断の土台になっている。数字は嘘をつかないが、数字だけを見ていては見落とすものがある。リストの向こう側にいる一人ひとりの顔を想像する癖は、10代のこの時期についたものだ。
他者の影響力を丸ごと借りる、という発想
その後たどり着いたのが食品流通の世界だった。ここで入江は、後の自分の事業観を決定づける発想に出会う。全国区の企業から営業部長の業務ごと受託し、その会社が長年かけて築いてきた問屋・商社・小売との人脈を、丸ごと自分のものとして使わせてもらうという手法だ。自分でゼロから人脈を築くのではなく、すでに影響力を持つ相手と組むことで、拡大のスピードそのものを買う。
さらに、営業代行で抱えていた約10社の顧客網を横につなぎ、互いの商品を交差させて売る「クロスセル」を仕掛けた。ひとつの流通ルートを開拓すれば、そこに複数の商材を流し込める。1社のために築いた関係が、10社分の売上機会に化ける。これは自分ひとりの営業力を積み上げる発想ではなく、すでにある人脈という資産を、何度も使い回して価値を増幅させる発想だった。26歳のときには、セブンイレブンのプライベートブランド「パリパリ麺サラダ」を1万店舗以上に展開し確認5、数十億円規模のヒット商品に育て上げた。この手法とノウハウを求めて、コンサルティング先は約200社にまで膨らみ、月30万〜50万円という顧問料を受け取る関係が続いた。
今振り返れば、この時期の入江は「自分が影響力を持つ」ことよりも先に、「影響力を持つ相手とどう組むか」を徹底的に考えていた。ゼロから信頼を築くには時間がかかる。だが、すでに信頼を築いている相手の懐に入り、その資産を一緒に使わせてもらう関係を設計できれば、拡大のスピードは何倍にもなる。この感覚は、のちにヒカルさんと組むときにも、そのままつながっていくことになる。
5,000万円高3・転売の年商
3億円19歳・物販の年商
1万店舗以上セブンPB展開規模
200社コンサル顧問先
POINT
影響力を持つ企業と組めば、拡大は最短化される。そして一度築いた流通網は、別のプロダクトをクロスセルで流し込むための土台にもなる。営業先を持つことは、業界そのものに影響力を持つことと同義だ。
50%の手数料が教えてくれたこと
順調に見えた流通ビジネスだったが、ある構造的な限界に突き当たった。問屋や商社、小売を経由するたびに手数料が積み上がり、最終的には売上の約50%が流通コストとして消えていく。どれだけ商品を動かしても、利益の半分は自分の手を離れた場所で決まってしまう。
そのとき彼の頭に浮かんだのが、日清食品のような存在だった。誰もがその名を知り、価格を自分たちで決められる。「日清のように価格決定権を持つブランドの強さ」に、入江は強く惹かれた。流通側にいる限り、どれだけ営業力を磨いても、価格を決める権利は常に誰か別の会社にある。1年間、悩み続けた。流通の中で稼ぎ続けるのか、それとも自分でブランドを持つ側に回るのか。出した結論は、「マーケティングを自分で握る」というものだった。
この決断は、それまで積み上げてきた流通ビジネスをいったん手放すことも意味していた。安定した顧問料収入や、確立された人脈を手放してまで、ブランドという不確実なものに賭ける。周囲には無謀だと言われたが、50%の手数料を払い続ける限り、自分の事業は永遠に誰かの下請けのままだという焦りの方が強かった。
動画でしか伝わらないものがある
そこから始めたのが、青汁系ドリンクやお茶石鹸といった自社D2C事業だった。商品開発を進めるなかで、入江はひとつの確信を得た。「食品の美味しさは記事では伝わらない、動画でしか伝わらない」という洞察だ。文字や写真では、口に入れた瞬間の表情や、飲み干したあとの一言までは伝えられない。だからこそ彼は、まだ誰もそこに本気で目をつけていなかった時期から、クリエイターへのギフティングやタイアップに力を入れた。
影響力の高い人にアンバサダーになってもらい、商品の認知を一気に広げる。インフルエンサーの協力を得て、販売のボリュームそのものを底上げする。この動き方が実を結び、東京進出後の自社D2C事業は年商約30億円にまで成長した。ここでもやはり、事業拡大の起点にあったのは「自分以外の誰かが持つ影響力」だった。
面白いのは、流通事業で培った「相手の資産を借りる」感覚と、D2Cで培った「動画で伝える」感覚が、ここで一本につながったことだ。営業部長の人脈を借りたのと同じ発想で、今度はクリエイターの発信力を借りる。商材は変わっても、入江が繰り返しやっていることは変わらない。すでに影響力を持つ相手を見つけ、そこに自分の商品を乗せてもらう。この型を確立できたことが、後のヒカルさんとの出会いを活かせた理由でもある。
ヒカルという才能と、1年間の沈黙
転機はヒカルさんとの出会いだった。2017年頃、いわゆるVALU騒動の直後で、世間からの視線が最も厳しい時期に、入江は彼と出会った。ここで入江が選んだのは、すぐに一緒に何かを仕掛けることではなかった。丸1年、案件をひとつも動かさなかった。信頼を取り戻し、影響力を再び構築し直す時間を、ただ横でともに過ごした。
その先にあったのがReZARDの共同創業だ。持株比率はヒカルさんが約60%、入江が約20数%。広告費に大きく張るのではなく、その分を原価に還元して品質を高めるという方針のD2Cブランドを軸に、コスメ、ヘアケア、パワーストーン、機能性パジャマ、スーツ、馬刺し、お米と、扱う領域を広げてきた。今ではホテルや不動産のオリジナルレーベルにまで事業は伸びている。3年で500億円を目指し確認2、M&Aによるグループ化も進めている最中だ。
ここで大事なのは、入江が単にヒカルさんの影響力を「借りた」だけではないということだ。1年間の沈黙は、信頼関係という土台をともに作る時間だった。その土台があったからこそ、共同創業という形で経営そのものに深く入り込むことができた。影響力を借りるだけの関係と、影響力を分かち合う関係は、似ているようでまったく違う。後者にたどり着くには、目先の利益をいったん手放す胆力が要る。
自分の媒体を持つ、自分の番組を持つ
もうひとつ、入江が力を注いでいるのが番組IP「Nontitle」だ。YouTube発として初めてビジネスに特化したリアリティショーという形をとり、アクティブユーザーは約60万人にまで育った。単に視聴者数を稼いだのではなく、もともとビジネスに興味を持つ層を約60万人まとめて獲得したという意味を持つ。
番組の設計にもこだわりがある。制作費よりもスポンサー収益が上回る構造にしているため、番組自体が利益を生み出す。出演者は完全オーディション制で、入江自身は選考に一切関与しない。忖度をゼロにすることが、番組の信頼性そのものを支えている。この番組発のプロジェクトとして、ドライヤーはクラウドファンディングで約1億円確認1、家系図サービスは発売から1〜2日で約3億円を売り上げた。今後は、この60万人という母集団を軸に、経営塾や起業塾、採用支援、ファンクラブといった二次展開も構想している。
Nontitleが他のインフルエンサープロデュースと決定的に違うのは、これが誰か一人のカリスマ性に依存する仕組みではないという点だ。出演者が入れ替わっても、番組というフォーマット自体が視聴者との関係を保ち続ける。個人の影響力を借りて始まったプロジェクトが、やがて個人に依存しない「媒体」そのものへと育っていく。これこそが、入江がずっと目指してきた到達点だった。
30億円自社D2C年商
500億円ReZARD 3年後目標
60万人Nontitleアクティブユーザー
3億円家系図サービス初動2日
ここまでの24年を振り返ってみると、入江はずっと「借りる」側から事業を組み立ててきた。営業部長の人脈を借り、流通企業の影響力を借り、クリエイターの発信力を借り、ヒカルさんという才能の隣に身を置いてきた。それぞれの局面で、彼は自分の手札にないものを、すでに持っている相手を探し出し、そこに乗せてもらう形で事業を伸ばしてきた。この方法は間違いなく正しい。ゼロから何かを積み上げるより、圧倒的に速い。だが、その過程で痛いほど学んだこともある。
流通事業をやめた瞬間、あれほど広げたはずの人脈は、契約書一枚でリセットされた。インフルエンサーとのタイアップも、相手のスケジュールや気持ち次第で、翌月には同じ数字が出ない。どれだけ巧みに他人の影響力を借りても、それは自分の名義で登記された資産ではない。借りているものは、いつか必ず返すときが来る。この当たり前の事実に、入江は何度も苦い思いをさせられてきた。
他人の影響力を借りるだけでは、やめられた瞬間にゼロになる入江
どれだけ大きな流通網を築いても、相手の都合で契約が終われば手元には何も残らない。どれだけインフルエンサーの力で売上を伸ばしても、その人が離れた瞬間に数字は元に戻る。だからこそ入江は、ReZARDという自分たちのブランドを持ち、Nontitleという自分たちの番組を持つところまで歩みを進めてきた。「借りる」か「持つ」かは二者択一ではない。答えは、両方やることだ。まず他者の影響力を借りて最短距離で立ち上がり、その勢いのなかで自分自身のIPを育てていく。この順番を間違えなければ、事業はやめられても消えない資産になる。
POINT
他人の影響力を借りることはスタートダッシュのための手段であり、ゴールではない。最終的に自分の媒体・自分のIPを持つ人だけが、影響力を「消えない資産」に変えられる。
確認12そしてもうひとつ、近年の入江には大きな変化がある。長く裏方に徹してきた本人が、コロナ明けごろから、自ら表に出て発信するようになったことだ。理由は明快である。タレントを広告に起用すれば数百万円の費用がかかるが、自分が出れば、その費用はかからない。そして何より、事業にかける意図を、誰かの言葉ではなく自分の言葉で語れる。他人の影響力を借りることから始めた男が、いまは自分自身の発信力を育てている。「借りる」と「持つ」の両方をやるという結論を、入江は自らの現在地で体現している。
ノウハウの種明かしはライバルを育てるだけだ、と考える人は多い。だから世の中には表に出てこない戦略がいくらでもある。入江自身、ここに書いた以上の細かい手法は、今も現場でしか教えていない。それでも、この章で伝えたい骨格だけは隠さずに書かれている。他者の影響力を借りて最短距離で立ち上がる段階と、自分のIPを育てて消えない資産に変える段階。どちらか一方だけを選ぶ人は多いが、両方を意図的に設計できる人は少ない。
だが、正解は、ひとつではない。借りる力と、持つ力。どちらも知っているからこそ選べる打ち手がある。今、発信を始めたばかりの人であれば、まず影響力のある誰かの力を借りることに全力を注いでいい。すでに一定の影響力を持っている人であれば、そろそろ自分の媒体、自分のIPに投資を始める時期かもしれない。自分が今どちらの段階にいるのかを正しく見極めることこそが、遠回りを避ける一番の近道だ。この先の章、そしてJPBSという場では、その両方を実践レベルでどう組み合わせていくのかが、より具体的に示されていく。
第4章
発信力ゼロから、仲間とIPを立ち上げる — 令和の虎、通販の虎、そして人の人生を変える側へ
桑田龍征は35歳まで、世の中的には無名の人間だった。「令和の虎」「通販の虎」を主宰するビジネスインフルエンサー——それが今の肩書きだが、かつては歌舞伎町でホストクラブを経営し、現場で数字と向き合う日々を送っていた。発信力もSNSのフォロワーも、誇れるものは何もなかった。そこから5年、気づけば日本有数のビジネスインフルエンサーと呼ばれる立場になっていた。この章では、その5年間で桑田に何が変わり、何を学び、これから何をやろうとしているのかを、できるだけ生々しく描いていく。
華やかに見える今の肩書きの裏には、地味な現場の積み重ねしかない。夜の街で毎日、指名本数や売上の数字と向き合い、スタッフの生活を背負う。そこに「発信」という発想はほとんどなかった。目の前の店を回すこと、人を採用すること、それで精一杯だった。
転機の話をする前に、その手前にあった行き詰まりから書かなければならない。桑田は22歳で経営側に回り、以来19年、歌舞伎町で店を経営し続けてきた。現在は8店舗、売上のピークは36億円。その歩みの大半を、彼は発信力を持たないまま積み上げてきた。実力がなかったのではない。届いていなかっただけだ。
その事業が、26歳のとき年商10億円で止まった。本人の言葉を借りれば「ずっと横ばいになったのが10億だった」。「これ伸びんのかな、みたいな。そもそも経営のやり方も分かってない」。夜の現場で叩き上げてきた勘と気合いでここまでは来られたが、その先へ行くための地図がなかった。追い打ちをかけたのが組織の問題だった。マンパワーに依存した経営は規模が大きくなるほど軋み、組織は崩れはじめ、ある日には1店舗がまるごと引き抜かれた。売上が消えるだけではない。自分が信じてきた経営のやり方が通用していなかったという事実を、突きつけられた。
転機が訪れたのは29歳のときだった。かつての知人と再会し、フランチャイズへの加盟で初めて昼の事業に足を踏み入れる。そこで目の当たりにしたのが、WebマーケティングとYouTubeの威力だった。人を集めるのに、足で回る必要も、紹介を待つ必要もない。届ける仕組みさえ作れば、人の方から集まってくる。この気づきが、次に語る求人動画へとつながっていく。
影響力ゼロだった男が、痛感した「借り物の発信力」の限界
歌舞伎町でホストクラブを経営していた頃、桑田が最初に痛感したのは「人を集める力」の重要性だった。求人広告を出しても人が来ない。紹介にも限界がある。そんなとき、当時から発信力を持っていたぷろたんさんに求人動画の制作を依頼した。結果は衝撃的だった。たった1本の動画から、3,000人が応募に集まった。自分がどれだけ良い環境を用意しても、それを届ける力がなければ誰にも届かない。逆に、届ける力さえあれば、価値はいくらでも増幅される。この経験が、桑田の人生の分岐点になった。
3,000人1本の求人動画で集めた応募
5年無名から日本有数のインフルエンサーになるまで
ここで桑田が学んだのは、「影響力ゼロでも工夫で勝つ時代」はもう終わりつつあるという現実だった。もちろん工夫と根性で局地戦に勝つことはできる。求人媒体を工夫する、口コミを仕掛ける、紹介制度を作り込む。やり方はいくらでもある。だが、それは毎回ゼロから消耗戦を仕掛けるようなものだ。人を採用するたびに、同じだけの労力と時間を払い続けなければならない。一方で、影響力が全てを最短化する時代では、同じ努力量でもリーチできる母数が桁違いになる。しかも一度築いた発信力は、翌月もその先も資産として残り続ける。借り物の発信力で一度だけ勝つのか、自分自身が発信力を持ち、何度でも勝てる構造を作るのか。桑田は迷わず後者を選んだ。
SNSの発信を、事業の力に。桑田
知らないことは、知っている人から学ぶ。あるいは託す
発信力を持つと決めてから、桑田はTikTokを始めた。だが正直、最初は何をどうすればバズるのか、まるで分からなかった。投稿してもほとんど再生されない、伸びる動画と伸びない動画の違いも言語化できない。夜の仕事で培った勘は、SNSの世界では通用しなかった。我流でやって時間を溶かすくらいなら、プロに運用を任せた方が早い。そう判断して、彼はTikTokの運用代行を専門家に依頼した。
これは桑田にとって重要な教訓になった。自分に知見がない領域は、プロから学ぶか、プロに委託する。どちらを選ぶにせよ、独学で遠回りする時間はもったいない。事業を伸ばすスピードは、いかに早く正しいやり方にたどり着くかで決まる。プライドを守るために我流にこだわるのは、経営者としてはむしろリスクだと桑田は考える。分からないことは分からないと認めて、その道のプロに素直に頭を下げる。この感覚は、後に令和の虎や通販の虎を立ち上げるときの土台にもなった。
POINT
発信力は「才能」ではなく「学習と実装の速度」で決まる。知らないことを知らないままにせず、プロから学ぶか託すか、どちらかを即断すること。
令和の虎で知った、「複数人でIPを持つ」ことの強さ
桑田が仲間たちと立ち上げた令和の虎は、複数人で作り、複数人でIPを持つメディアだ。個人チャンネルを一人でコツコツ育てるのとは、根本的にスピードの次元が違った。ここで彼が実感したのは、一人の影響力よりも複数人の影響力を掛け合わせた方が、圧倒的にスピードが出るということだった。出演者それぞれが自分のフォロワーに番組の存在を伝えてくれる。切り抜き動画を作ってくれる視聴者も、一人のチャンネルより何倍もの規模で現れる。
成長の鍵になったのはキャスティングだ。今まさに話題になっている人を出演者として起用すると、再生数が一気に伸びる。話題性のある人が持つニュース性を借りて、番組そのものを拡大させていく。ひろゆきさんの切り抜きがYouTube界でバズったのをきっかけに、令和の虎の切り抜きも一気に増え、そこからフィーバーした。確認6再生数の伸び方も、コメント欄の熱量も、それまでとは明らかに違う勢いだった。あの瞬間、桑田は複数人でIPを育てることの破壊力を肌で理解した。
今、令和の虎は「人材版・令和の虎」「SNS版・令和の虎」のように、レーベル化を進めている。一つの番組を大きくするだけでなく、フォーマットごと横展開していく。一つのジャンルで培った型を、別のジャンルにそのまま応用できるので、ゼロから番組を立ち上げるよりも圧倒的に速く、失敗のリスクも小さい。これも、発信力を持つ人間が複数集まっているからこそ実現できるスピード感だ。
この経験から桑田が得たもう一つの気づきは、「個人の発信」と「複数人のIP」は、対立する概念ではないということだ。個人の発信力を磨いた人間が集まるからこそ、複数人のIPは強くなる。逆に、複数人のIPで場数を踏んだ人間は、個人の発信力も一気に伸びる。桑田自身、令和の虎に関わったことで、自分個人のチャンネルの伸び方も明らかに変わった。個人と組織、両方の発信を同時に太くしていく。これが、これからの時代の勝ちパターンだと彼は考えている。
- 複数人でIPを持つことで、発信力・影響力を掛け合わせられる
- キャスティングが再生数を決める最大の変数になる
- 話題性のある出演者のニュース性を活かして拡大する
- フォーマットをレーベル化し、横展開でスピードを上げる
通販の虎 — 影響力を得た自分が主催する、初のオリジナルIP
令和の虎で発信力を蓄積した桑田が、次に立ち上げたのが通販の虎だった。これは彼が主催する、初めての完全オリジナルIPだ。誰かに声をかけてもらって参加する立場から、自分で企画し、自分で座組みを組み、自分で責任を持つ立場へ。ここに至るまで、桑田は5年かかった計算になる。番組のコンセプト設計、出演交渉、収録の段取り、公開後の展開まで、すべてを自分ごととして動かす経験は、令和の虎に出演者として関わっていた頃とはまったく違う緊張感があった。だが、その緊張感の中でこそ、本当の意味での経営者としての実力が試されるのだと彼は感じている。
確認13立ち上げの体制は、驚くほど小さい。元秘書と2人、2年がかりでここまで持ってきた。売上は1期目10億1,000万円(クラウドファンディング込み。本人は「実際は8.5億くらい」と補足する)、2期目15億6,000万円ほど、3期目は月商平均1.5億円で推移し、12月末の着地見込みは18億円。「20億いきたい」と本人は言う。発信力ゼロだった男が、自分で立ち上げたIPで、3期目にして20億円を視野に入れている。
虎、つまり出演者には、基本的に発信力のある人をアテンドしている。だが同時に、これから発信力をつけたい人にもあえて混ざってもらっている。そうすることで、その人自身の発信力アップの手伝いにもなるからだ。かつて求人動画一本で3,000人を集めてもらった桑田自身が、今度は発信力を貸す側に回っている。影響力を持つ人だけの閉じた場ではなく、影響力を持ちたい人が育つ場にすること。これが通販の虎で桑田が最も大事にしている設計思想だ。
令和の虎で学んだキャスティングとレーベル化の型を、今度は自分が主催者として実装する。人から学んだことを、自分の現場で再現する。この繰り返しこそが、5年で桑田を「作り続ける人」に変えたのだと言える。
個人チャンネルでも、掛け算を続けている
令和の虎や通販の虎と並行して、桑田は自分の個人チャンネルも育ててきた。ホリエモンこと堀江さんとのコラボ、料理研究家のリュウジさんとのコラボ、そしてヒカルさんとの同居生活。どれも、自分一人では届かなかった層にリーチするための掛け算だ。堀江さんとの回では、桑田が普段接することのないビジネス層の視聴者にリーチできた。リュウジさんとの回では、料理や生活に関心のある層に届いた。ヒカルさんとの同居生活は、日常の発信の中に自然に彼の存在を溶け込ませた。インフルエンサーたちに出演してもらいながら、チャンネル登録者を拡大している最中でもある。
個人のチャンネルも、番組IPも、根っこにある考え方は同じだ。自分の影響力だけに頼らず、人の影響力と掛け合わせる。これが最短距離で成長する方法だと、桑田は確信している。歌舞伎町でぷろたんさんに求人動画を頼んだあの日から、彼がやっていることの本質は変わっていない。誰かの力を借り、いずれ自分の力も誰かに貸せるようになる。この循環を、規模を変えながら回し続けているだけだ。
目利きとして、埋もれた本物を表舞台へ
5年間、発信を続けてきて桑田が分かったことがある。世の中には、年商10億円を上げていても、まったく世に知られていない、すごい人がたくさん埋もれている。技術も実績も本物なのに、発信の術を知らないだけで、世間からは存在しないのと同じ扱いを受けている経営者を、彼は数え切れないほど見てきた。桑田の役割の一つは、そういう人を見つけ出し、表舞台に引き上げることだ。
令和の虎や通販の虎で紹介する相手は、本物しか出さないと決めている。数字が実際に伴っているか、現場を見て、本人と話して、自分の目で確かめる。派手さだけで実態が伴わない人は、どれだけ話題性があっても出さない。桑田はこの基準を一度も崩したことがない。だからこそ、彼からの紹介が信用として機能し、紹介そのものが最強の武器になる。
育成の場面で桑田が大事にしているのは、技術やノウハウを教える前に、覚悟を決めさせることだ。ノウハウは後からいくらでも積み上げられる。カメラの前での話し方も、台本の作り方も、編集の技術も、教われば誰でも身につく。だが覚悟がなければ、戦闘力はゼロのままだ。中途半端な気持ちで発信を始めても、批判やアンチコメントに耐えられず、すぐにやめてしまう。覚悟さえ決まれば、そこから戦闘力を0から100に引き上げるところまで、桑田は本気で伴走する。
覚悟を決めさせて、戦闘力0を100にする。桑田
POINT
紹介という行為は、紹介者の信用そのものが乗る。本物しか紹介しないという一貫性が、紹介を最強の武器に変える。
桑田自身、5年前は誰かに紹介してもらう側だった。ぷろたんさんに動画を作ってもらい、令和の虎という場に呼んでもらい、たくさんの人の発信力を借りて、今の立場まで来た。だからこそ、紹介される側の気持ちも、紹介する側の責任も、両方が分かる。誰かの人生を賭けた挑戦を預かる以上、いい加減な紹介は絶対にできない。この緊張感を持ち続けることが、結果的に桑田自身の信用も積み上げている。
次は、人の人生を変える側に回る
無名だった歌舞伎町のホスト経営者が、自らメディアを立ち上げ続けた結果、5年で日本有数のビジネスインフルエンサーと呼ばれる立場になった。求人動画で3,000人を集めてもらった側から、今では自分が誰かのために発信力を貸す側になっている。だが、桑田はここがゴールだとは思っていない。令和の虎、通販の虎、そして個人チャンネル。この三つの現場を通じて、これから発信力を持ちたい人に、発信と露出の機会をもっと増やしていきたい。埋もれた才能、埋もれた企業の認知を、もっと世の中に伸ばしていきたい——それが彼の願いだ。
正直に言えば、桑田はもう自分が表に出ることだけにこだわってはいない。人が発信力・影響力をつける手伝いをすること、その方に強く興味が向いている。かつての彼のように、発信力ゼロの場所からスタートする人は、これからも次々と現れる。その人たちが遠回りせずに、覚悟を決めて、最短距離で戦闘力を上げていける環境を作りたい。次は、人の人生を変える側に回る。それが、これから桑田が本気で取り組みたいテーマだ。
第5章
裏方のプロデューサーが、表に出た理由
山本智也は、ずっと裏方だった。SNSビジネスプロデューサーとして、誰かのSNSが伸びる瞬間も、事業の数字が跳ね上がる瞬間も、いつも舞台の外側から見てきた。名前を出さずに結果だけを出す。それが山本の仕事の流儀だった。ではなぜ今、こうして著者として名前を出しているのか。その理由から見ていきたい。
裏方であり続けた理由は、単純だ。山本の仕事の価値は「自分が目立つこと」ではなく「クライアントの数字が伸びること」にあったからだ。プロデューサーが前に出すぎれば、主役であるはずの発信者や経営者の存在が霞んでしまう。だから山本は、常に一歩下がった位置から、事業全体の設計図を描くことに徹してきた。それでも表に出る決断をしたのは、裏方として積み上げてきた再現性のある方法論を、必要としている人にもっと直接届けたいと思ったからだ。
「発信者と経営者の両方を理解する」という肩書き
山本の肩書きは、SNSビジネスプロデューサーだ。世の中にはSNSの伸ばし方を教える人も、事業の作り方を教える人もたくさんいる。しかし、その両方を同じ解像度で理解し、同時に動かせる人間は驚くほど少ない。発信者は「バズらせ方」を知っていても「値付けと粗利構造」を知らないことが多く、経営者は「事業構造」を知っていても「なぜこの人の言葉だけ届くのか」という発信の力学を知らない。山本はその両方の言語を話せる、唯一無二の存在であろうとしてきた。発信者向けのコンサルタントは山ほどいるし、経営コンサルタントも数え切れないほどいる。しかし、フォロワーの熱量というきわめて感覚的な資産と、損益計算書というきわめて論理的な数字を、同じテーブルの上で扱える人間は、彼が知る限りごくわずかだ。
山本のプロデュース業には、4本の柱がある。①売上アップ、②ファンが離れない長期戦略によるLTV最大化、③炎上や信用毀損を構造で防ぐレピュテーション設計、④応援したくなる事業づくり。この4つは独立していない。売上だけを追えばファンは離れ、ファンだけを大事にすれば売上は伸び悩む。炎上対策だけを固めても事業は前に進まず、応援だけを集めてもマネタイズの導線がなければ売上にはならない。4本柱を同時に設計して初めて、事業は長く伸び続ける。
実際の現場では、まず数字の現状把握から入る。フォロワー数や再生回数といった見えやすい指標ではなく、誰が、どの商品を、いくらで、何回買っているかという購買データを見る。そこから逆算して、どのコンテンツがどの顧客層に効いているのかを可視化する。派手に見える施策の裏側は、実はこうした地道な数字の整理から始まっている。
数字が語る、プロデュースの再現性
言葉より数字で語るほうが、山本には性に合っている。いくつか実例を見てみたい。
100億円系統用蓄電池チャンネル「電力社長」立ち上げ3ヶ月の見込み受注
10万人つのだ式関節整体チャンネルの登録者数
15億円つのだ式関節整体、2年間の事業規模
1億円山本自身のYouTube「ビジネスサイボーグ」1年目の売上
系統用蓄電池という、一般消費者にはなじみの薄い再エネ領域のチャンネル「電力社長」は、立ち上げからわずか3ヶ月で見込み受注が約100億円に達した。案件単価は1件あたり6〜8億円確認7、紹介報酬率は3%だから、1件成約するだけで約2,000万円が動く計算になる。専門性が高く、一般消費者向けの発信とはまったく違う設計が必要な領域だったが、だからこそ「誰に届けるか」という属性設計を極限まで絞り込んだことが功を奏した。角田紀臣氏監修の「つのだ式関節整体」は、登録者10万人という規模で、2年間で約10〜15億円の事業規模をつくった。そして山本自身のYouTubeチャンネル「ビジネスサイボーグ」も、立ち上げ1年で約1億円の売上をつくっている。これは偶然の再現ではなく、設計の再現性だ。
共通しているのは、ジャンルも規模もまったく異なる案件であっても、最初に4本柱の設計図を描いてから動いているという点だ。再エネという専門性の高い領域でも、整体という生活密着型の領域でも、そして山本自身のようなビジネス系の領域でも、フォロワーを増やす施策と、事業構造を組み立てる施策を同時並行で走らせる。どちらか一方だけを先行させると、必ずどこかで頭打ちになる。数字はその設計の正しさを裏付ける証拠にすぎない。
影響力を、事業に変える。山本
ペイドで露出を買い、知名度を事業に変える
山本自身、最初から影響力を持っていたわけではない。Nontitleの番組や、ヒカルさん・入江さんのSNSといった露出面に、自らお金を払って出演してきた。いわゆるペイド露出だ。これは一見、遠回りに見えるかもしれない。しかし知名度は複利で効いてくる。露出で知名度を獲得し、その知名度が信頼を生み、信頼が売上を拡大させる。今も山本自身の名刺代わりになるメディアを、いくつも構築している最中だ。裏方であることに誇りを持ちながらも、必要なところでは自ら露出を取りにいく。それが彼のやり方だ。
面白いのは、ペイド露出の効果は「露出した瞬間」よりも「露出後の数ヶ月」にじわじわと表れることだ。番組を見た人がすぐに問い合わせをくれるわけではない。むしろ、その人の中に「あ、この人前にも見たことがある」という記憶が積み重なり、別のタイミングで山本の発信に触れたときに、初めて信頼へと転化する。だからこそ、単発の露出で終わらせず、複数の露出面を継続的に持つことが重要になる。露出は点ではなく線でつくるという感覚だ。
「フォロワー数=売上」という幻想を捨てる
ここで一つ、読者に問いかけたいことがある。あなたのフォロワーが今すぐ半分になったとして、それでも売上は変わらないと言い切れるだろうか。多くの発信者が、フォロワー数という見た目の数字に振り回される。しかし数字が語るのは規模であって、質ではない。重要なのは数ではなく、誰に届くかという属性設計だ。1万人の無関心なフォロワーより、1,000人の熱量あるファンのほうが、事業には確実に効く。
山本が現場でよく使う問いがある。「このフォロワーのうち、あなたの商品を買う可能性がある人は何人いますか」。多くの発信者は、この問いにすぐ答えられない。フォロワー数という総量にばかり目が行き、その内訳、つまり属性を見ていないからだ。年齢層、興味関心、購買力、そして何より「なぜフォローしているのか」という動機。これらを丁寧に分解していくと、実は売上に直結するフォロワーはごく一部だったという事実に気づくことが少なくない。属性設計とは、この一部をどう見極め、どう増やしていくかという設計そのものだ。
SNSは、あくまで玄関にすぎない。どれだけ玄関を立派に飾っても、その先の家、つまり事業構造が作り込まれていなければ、訪れた人は何も買わずに帰ってしまう。フォロワーという「来客数」に満足するのではなく、家そのもの、つまり事業の導線・商品設計・価格設計を作り込む。それが本質的な仕事だ。
玄関を立派にする努力に比べ、家を作り込む努力は地味で、しかも時間がかかる。値付けをどう設計するか、無料と有料の境目をどこに引くか、初回購入から継続購入へどうつなげるか。こうした一つひとつは、SNSのバズり方を学ぶよりもずっと地道な作業だ。しかし、この家の完成度こそが、同じフォロワー数でも売上が10倍違う理由をつくる。山本が数字にこだわるのは、この家の設計図を数字でしか検証できないからだ。
SNSは玄関、事業は家。山本
影響力は「持つ」だけでなく「借りる」もの
もう一つ、山本が強く意識してきたのが「影響力は借りられる」という発想だ。かつては芸能人という冠がブランドの信用を担保していた。しかし今は、特定の分野に強いインフルエンサーIPが、その役割を担う時代に変わった。「誰が言うか」が、商品やサービスの価値そのものを決めるようになっている。だからこそ、すでに影響力を持つ人と組む、あるいは自らその影響力を育てる、という両輪の戦略が欠かせない。
影響力を「持つ」ことにこだわりすぎると、ゼロから何年もかけて自分のフォロワーを積み上げなければならず、事業のスピードが著しく落ちてしまう。一方で、影響力を「借りる」という選択肢を持てば、すでに信頼を積み上げた発信者と組むことで、事業の立ち上がりを一気に早めることができる。実際、電力社長もつのだ式関節整体も、既存の影響力を借りながら、同時に自分自身の影響力も育てるという二段構えで進めてきた。
借りた影響力は、いずれ自分の影響力へと転化していく。最初は監修者や協力者の名前で人が集まっていたとしても、そこで提供する価値が本物であれば、次第に「あの人の話が聞きたいから来た」という声に変わっていく。山本が現場で見てきた成功パターンの多くは、この転化のプロセスを最初から設計に織り込んでいた。借りることをゴールにせず、借りた影響力を自分の資産へと育てる通過点として位置づける。この視点があるかどうかで、数年後の結果は大きく変わる。
POINT
フォロワー数より、ファンの熱量。バズらなくても、事業は伸びる。大切なのは規模ではなく、属性設計と事業構造の作り込みだ。
今、山本がやっていること
現在の山本の仕事は大きく二つに分かれる。一つは、すでにSNSで発信力はあるものの、事業展開やマネタイズができていない人へのプロデュース支援。ここでは、フォロワーという資産をどう事業構造に組み込み、LTVとレピュテーションを守りながら売上に変えるかを、具体的に設計する。もう一つは、まだ発信力・影響力を持たない人への支援だ。これは山本一人では担いきれない領域なので、桑田、入江と共にJPBS(日本パーソナルブランディング戦略機構)を立ち上げ、発信力・影響力をゼロからつける学校を運営している。発信方法そのものを教えると同時に、信頼できる運用代行会社を紹介する仕組みもつくった。
この二つの支援は、一見別々に見えて、実は同じ一本の線でつながっている。発信力がある人は事業構造をつくれば伸び、発信力がない人はまず発信力をつけてから事業構造に進む。順番が違うだけで、最終的にたどり着くゴールは同じだ。だからこそ彼らは、どちらの段階にいる人に対しても、同じ4本柱の思想を一貫して使い続けている。発信の入口がどうであれ、出口は必ず「応援したくなる事業」でなければならない、というのが山本の変わらない信念だ。
裏方として積み上げてきた実例と数字、そして自ら露出を買って知名度を築いてきた経験。そのすべてが、次の章からは、これを読むあなた自身がどう使えるかという実務の話に落とし込まれていく。
最後にもう一つだけ、山本が伝えたいことがある。プロデューサーとしての彼の仕事は、誰かの代わりに発信することでも、誰かの代わりに事業を作ることでもない。あくまで、発信者本人や経営者本人が持っている力を、正しい順番と正しい構造で引き出すことだ。裏方に徹してきた15年近くの時間で学んだのは、派手な演出よりも、地に足のついた設計のほうが、結局は一番遠くまで届くという単純な事実だった。次章では、この設計を実際にどう組み立てていくのか、より具体的な手順に踏み込んでいく。
- プロデュースの4本柱:売上アップ/LTV最大化/レピュテーション設計/応援される事業づくり
- 系統用蓄電池「電力社長」:3ヶ月で見込み受注約100億円
- 「つのだ式関節整体」:登録者10万人・2年で10〜15億円規模
- 「ビジネスサイボーグ」:立ち上げ1年で約1億円
- ファンの応援を、売上に変える。フォロワー数より、ファンの熱量。
確認16ここまでが、山本、入江、桑田、3人それぞれの実践の記録である。はじめにで紹介したJPBSは、この3人が中核となり、発信力を事業の力に変えるまでを支援する場だ。その全体像は、巻末で改めて紹介する。ここから先は、3人の実践から見えてきた共通の型を、あなた自身がどう使うかという話に移っていこう。
第6章
発信力が「ある人」がやるべきこと
すでにSNSで一定のフォロワーや再生数を持っている人が、次に事業展開・マネタイズへ進むために、私たちが現場で徹底してきた実務がある。それは特別なテクニックではなく、地味で、しかし積み上げれば確実に効く三つの原則だ。
前章で山本が語ったように、フォロワー数はそれ自体が売上を保証してくれるわけではない。しかし、発信力という土台があるからこそ使える打ち手も確かに存在する。私たちがクライアントと向き合うとき、まず確認するのは、発信を「点」で終わらせているか、それとも「線」として仕組み化できているかという一点だ。この章では、発信力を事業に転換するための具体的な三つの実務を、順を追って見ていく。
原則1:発信を止めない、習慣化する
最初の原則は、SNSを日々発信し続けることだ。当たり前に聞こえるかもしれないが、これを本当に「仕組み」として続けられている発信者は少ない。私たちが重視するのは、単に更新頻度を上げることではなく、発信を生活動線に組み込むレベルまで習慣化することだ。「毎日投稿する」ではなく、「何曜日の何時に動画が上がる」というところまでルール化する。視聴者側から見ても、決まった時間に新しいコンテンツが届くというリズムは、信頼と習慣の両方をつくる。発信者側から見ても、ルールが決まっていれば迷いがなくなり、継続コストが下がる。
私たちが伴走する現場では、投稿曜日・投稿時刻・企画の型・撮影から公開までの日数を、あらかじめ一枚の運用表に落とし込む。感覚やその場のモチベーションに頼った発信は、必ずどこかで途切れる。逆に、ルールとして仕組み化された発信は、担当者が変わっても、多少モチベーションが落ちても、止まらない。継続できる発信だけが、事業の土台になり得るという前提に立って設計することが欠かせない。
POINT
「毎日発信する」ではなく「何時に、何が、どこに上がるか」まで言語化してルール化する。習慣化こそが、発信力を事業力に変える土台になる。
原則2:視聴者リストをプラットフォーム間で循環させる
一つのプラットフォームだけに依存する発信は、そのプラットフォームのアルゴリズム変更ひとつで基盤が揺らぐ。私たちが実務で組み立てているのは、視聴者との接点を複数の媒体に分散させ、循環させる導線だ。たとえばYouTubeで出会った視聴者をインスタグラムに誘導し、インスタからTikTokへ、TikTokからXへ、Xからさらに音声メディアのVoicyへ、そしてニコニコ生放送のようなライブ配信へ。視聴者を一つの媒体に留めるのではなく、複数の媒体をぐるぐる循環させることで、接触回数そのものを増やしていく。
この循環には、二つの狙いがある。一つは、単純な接触回数の最大化だ。人は同じ発信者に何度も触れるほど、警戒心が薄れ、信頼が積み上がっていく。もう一つは、媒体ごとの特性を活かした表現の多様化だ。同じ情報でも、YouTubeでは深く解説し、Xでは一行で要点を伝え、Voicyでは雑談交じりに人柄を伝える。同じ相手に、違う角度から何度も出会ってもらうことで、フォロワーからファンへと関係性が深まっていく。
- YouTube → Instagram → TikTok → X → Voicy → ニコニコ生放送 → (YouTubeへ還流)
- 媒体ごとに役割を変える:動画は深い理解、Xは即時性、Voicyは移動時間の接触、生配信は双方向の熱量
- 一つの媒体のアルゴリズム変動に事業全体が左右されない体制をつくる
循環を設計する際に見落とされがちなのが、媒体を移動するたびに一定数の視聴者が離脱するという現実だ。だからこそ、単に「あちこちに投稿する」のではなく、移動先で得られるメリットを明確に提示する導線設計が欠かせない。「インスタの概要欄にはここでしか話していない話がある」「LINEに登録すると先行案内が届く」といった具体的な理由がなければ、視聴者はわざわざ媒体をまたいでまで追いかけてはくれない。循環とは、移動する動機を一つひとつ丁寧に積み上げる作業でもある。
原則3:PUSH型のリストとクローズドメディアを持つ
SNSの視聴や閲覧は、本質的に受動的な行為だ。フォローしていても、アルゴリズム次第で情報は届かない。だからこそ私たちは、直接・即時に連絡できるPUSHメディアを必ず構築するよう勧めている。LINE公式アカウント、メールマガジン、ニュースレターなどがこれにあたる。これらは発信者側からファンの手元に直接届く、能動的な接点だ。
PUSHメディアの価値は、届く確率の高さだけではない。リスト化された連絡先は、事業にとって最も安定した資産になる。SNSのアカウントは、規約変更やアルゴリズムの都合、最悪の場合は凍結といったリスクと常に隣り合わせだ。しかしLINEやメールのリストは、プラットフォームの都合に左右されにくい。私たちが新規のクライアントと最初に取り組むのは、フォロワーを増やす施策と並行して、このPUSHリストをどう構築し、どう育てるかという設計だ。フォロワーが「借り物の資産」だとすれば、リストは「自分自身の資産」に近い。
さらにその先に、私たちはクローズドメディアの構築を位置づけている。Chatworkのようなビジネスチャット、鍵付きのX、承認制のInstagramアカウント、Discordのコミュニティ、そして定期的な生ライブ配信。これらは誰でも入れる場所ではなく、選ばれた、あるいは自ら望んで入ってきたファンだけが集う場所になる。開かれた発信で広く接点をつくり、閉じた場で深く関係を育てる。この二段構えが、単なるフォロワーを事業を支えるファンへと変えていく。
PUSHメディアとクローズドメディアは、役割が異なる。PUSHメディアの役割は「確実に届けること」。新商品の告知やイベントの案内など、伝え漏れが許されない情報はここで流す。一方でクローズドメディアの役割は「深く関わってもらうこと」。質問への直接回答や、公開できない裏側の情報を共有することで、参加者は単なる視聴者から、当事者に近い存在へと変わっていく。この段階まで来て初めて、ファンは商品やサービスを「買う」のではなく「応援する」という感覚で財布を開くようになる。
ファンの応援を、売上に変える。本書
三原則の先にあるもの
発信の習慣化、媒体間の循環、そしてPUSH・クローズドメディアの構築。この三つが揃って初めて、発信力は事業展開とマネタイズにつながっていく。ここまで積み上げてはじめて、ファンとの密度・接点・接触機会が増え、信頼が構築される。信頼は一朝一夕には生まれない。だからこそ、情報発信のルールを守り、地道に習慣化し続けることが、遠回りに見えて実は最短の道になる。
私たちがこれまで見てきた事例でも、事業が大きく伸びたタイミングは、必ずしも「バズった瞬間」ではなかった。むしろ、習慣化された発信と循環する接点、そして深く関わるクローズドな場が、一定期間積み重なった後に、静かに数字が動き始めるケースがほとんどだ。派手な瞬間最大風速を狙うのではなく、地道な仕組みを整えることこそが、結果的に最も再現性の高いマネタイズの道筋になる。
3原則習慣化・循環・PUSH/クローズド構築
6媒体YouTube起点で循環させる主要プラットフォーム数
POINT
SNSの閲覧は受動的。だからこそLINEやメールなどのPUSHメディアと、Discordや承認制アカウントなどのクローズドメディアを併せ持つことが、事業展開への分岐点になる。
発信力を持つ人が次に踏み出すべき一歩は、派手な施策ではない。習慣化・循環・リストという、地味だが積み上げに強い三つの実務だ。次章では、まだ発信力を持たない人が、ここに至るまでにどう歩みを進めるべきかを見ていく。
ここで強調しておきたいのは、この三原則はどれか一つだけを実行しても効果が半減してしまうという点だ。習慣化された発信がなければ循環させる素材そのものが枯渇し、循環がなければリストを育てる接点が限られ、リストがなければ習慣化した発信も一過性の消費で終わってしまう。三つはセットで初めて機能する。私たちがクライアントに伴走する際も、必ずこの三点をワンセットで設計に組み込むところから始めている。地味な仕組みづくりに見えるかもしれないが、実際に事業展開へとつながっていったクライアントの多くは、例外なくこの土台を先に固めていた。派手な打ち手を探す前に、まずこの三原則がどこまで機能しているかを点検することが、遠回りに見えて最短のルートになる。
- 発信は「何時に何が上がるか」までルール化して習慣化する
- YouTube・Instagram・TikTok・X・Voicy・生配信を循環させ接点を増やす
- LINE・メール・ニュースレターなどPUSHメディアで直接・即時の接点を持つ
- Chatwork・鍵付きX・承認制アカウント・Discord・生ライブでクローズドな関係を育てる
第7章
発信力が「ない人」がやるべきこと
ここまで、山本、入江、桑田という3人の実践者の歩みを見てきた。だが読者の多くは、今まさに「発信力がない」場所に立っているはずだ。フォロワーも1万人に満たず、反応の出る動画の作り方も分からず、何から手をつけていいのかも分からない。私たちが伝えたいのは、それは決して不利な出発点ではないということだ。発信力は生まれつきの才能ではなく、後から設計し、獲得できるスキルであり、資産である。この章では、発信力を持たない人が今日から選べる、3つの現実的な道を提示する。
私たちが本書を通じて出会ってきた経営者や個人事業主の多くは、発信力がないことを「性格の問題」だと思い込んでいた。人前で話すのが苦手だから、顔を出すのが恥ずかしいから、文章を書くのが得意ではないから。だが、実際に発信で成果を出している人たちを見渡してみると、必ずしも話が上手いわけでも、目立つことが好きなわけでもない。発信力の差は、性格の差ではなく、やり方を知っているかどうか、そして最初の一歩をどう設計するかの差にすぎない。ここから示す3つの道は、どれもその最初の一歩の選び方だ。
確認14実際に、こんな例がある。入江が出会った、山奥に住む一人のクリエイターだ。パソコン5台でAIを使った動画制作を手がけ、作った作品をXに出す。それだけで、大手企業から仕事の依頼が届く。都心のオフィスも、チームも、華やかな経歴もない。あるのは、作品と、それを見せる場所だけだ。仕事が欲しいなら、自分で影響力を作ったほうが得——彼の働き方が、それを証明している。発信力ゼロから始めて、場所にも組織にも頼らずに仕事を生み出す道は、確かに存在する。
道① プロに委託する、あるいはプロから学ぶ
最も速いのは、自分でゼロから試行錯誤する時間を捨てることだ。SNS運用が得意な会社に運用代行を依頼すれば、初日から「勝ち筋の分かっている打ち手」を実行できる。自分に知見がない領域を独学で埋めようとすると、正解にたどり着くまでに膨大な回り道が発生する。知らないことは、知っている人から学ぶか、知っている人に託す。この判断を速くできる人ほど、事業の成長速度も速い。運用代行に完全に任せきりにするのではなく、並走しながらノウハウを吸収し、いずれ自分たちのチームに内製化していくという設計も有効だ。委託は思考停止ではなく、最短距離を選ぶための戦略的判断である。
私たちが見てきた中で最も成果が早かったのは、委託と学習を同時並行で進めたケースだった。運用代行に日々の投稿設計や編集を任せながら、担当者との定例ミーティングに毎回参加し、なぜその企画が伸びたのか、なぜこの構成にしたのかを一つひとつ言語化してもらう。半年後には、代行に頼りきりだった状態から、自分たちで判断できる部分が明確に増えている。プロに丸投げするのでも、意地を張って全て自分でやるのでもない。「任せながら、盗む」という姿勢こそが、委託を最大限に活かす方法だ。
POINT
発信力がないことを恥じる必要はない。恥じるべきは、知見がないまま独学に時間を溶かし続けることだ。プロに委託するか、プロから学ぶか。まずこの二択を即断すること。
道② 発信力を持つ人を巻き込み、キャスティングでスピードを買う
2つ目の道は、すでに発信力を持っている人を巻き込むことだ。自分自身のインプレッションや再生数がまだ取れない段階では、すでに多くの人に届く発信者にお金を払って出演してもらい、認知そのものを買うという発想が有効になる。これは近道でも裏技でもない。むしろ、影響力という資産をすでに持つ人と組むことで、拡大に必要な時間を圧縮する、極めて合理的な投資だ。
私たちが繰り返し見てきたのは、話題性のある人を起用した瞬間に再生数やリーチが跳ね上がるという現象だ。キャスティングは、コンテンツの質と同じくらい、あるいはそれ以上に結果を左右する変数になる。自分の商品や事業に興味を持ってくれそうな層に、すでに影響力を持つ発信者は誰なのか。その見極めと交渉力こそが、発信力を持たない人が最初に磨くべきスキルだと言ってもいい。
ここで誤解してほしくないのは、キャスティングは一度きりの打ち上げ花火ではないということだ。重要なのは、単発の露出で終わらせず、そこで得た新規の視聴者やフォロワーを、自分たちの発信に定着させる導線をあらかじめ設計しておくことだ。出演してもらう前に、プロフィールへの導線、次のコンテンツへの誘導、フォローする理由を明確に用意しておく。認知を「買う」ことと、その認知を「資産化する」ことは、似ているようでまったく別の設計が必要になる。
影響力がないなら、影響力を持つ人を巻き込めばいい。本書
道③ 自分で学び、チームを作り、時間をかけて展開する
3つ目の道は、時間的にも金銭的にも余裕が少ない人に残された、もう一つの現実的な選択肢だ。委託する予算もなく、著名な発信者を巻き込む予算もない。その場合は、自分自身で発信の技術を学び、少しずつチームを作りながら展開していくしかない。この道を否定するつもりは全くない。むしろ私たちの多くが、最初はこの道からスタートしている。
ただし、正直に伝えておかなければならないことがある。この道は、時間がかかる。成功にたどり着くまでのスピードは、委託やキャスティングに比べて明確に鈍化する。それでもこの道を選ぶ人には、遠回りのように見えて、実は最も強固な土台が手に入るという利点がある。自分自身が発信の仕組みを理解しているからこそ、後から委託先を正しく評価でき、キャスティングの目利きもできるようになる。時間はかかるが、資産の質は高い。
この道を選ぶ人に私たちが勧めたいのは、最初から一人でチームを完成させようとしないことだ。撮影が得意な人、編集が得意な人、企画を考えるのが得意な人。それぞれ得意分野の異なる人を少しずつ巻き込みながら、小さなチームを段階的に育てていく。最初は自分一人が全工程を担っていても構わない。重要なのは、学びながら同時に「誰かに渡せる形」に仕組みを整えていくことだ。学習と組織化を同時に進めた人ほど、この道での鈍化を最小限に抑えられている。
どの道を選んでも、共通して効くたった一つの原則
委託であれ、キャスティングであれ、独学であれ、私たちが全員に共通して伝えたいことがある。それは、相互に成長したい人同士で、SNS上の拡散協力をし合うことはマストだということだ。一人で発信を続けるよりも、同じ熱量を持つ仲間と互いの投稿を拡散し合う方が、圧倒的に速く数字が動く。組織が大きければ大きいほど、この拡散のネットワーク効果は強くなる。特にXは、リポストや引用によって情報が連鎖的に広がる性質が強く、コミュニティの規模がそのまま拡散力に直結するプラットフォームだ。
だからこそ私たちは、発信力を持たない人にまず伝えたい。一人で戦おうとしないでほしい、と。委託先を探すにしても、キャスティングを仕掛けるにしても、独学でチームを作るにしても、その全てを加速させるのは「一緒に発信し、一緒に拡散し合える仲間」の存在だ。
私たちの周りでは、互いのSNSアカウントを日常的に拡散し合うグループがいくつも生まれている。一人がリールを投稿すれば、仲間が数十人単位でシェアし、コメントし、保存する。プラットフォームのアルゴリズムは、こうした初速の反応を敏感に評価する。だからこそ、拡散協力の輪の中にいるかどうかで、同じクオリティの投稿でも伸び方がまったく変わってくる。組織やコミュニティが大きいほど、この初速を作れる人数が増え、成長のスピードそのものが底上げされていく。次の章では、その発信力を実際に手に入れたとき、事業と人生に何が起きるのかを、具体的な変化として描いていく。
第8章
発信力を持つと、何が変わるのか
発信力を持つ前と後とで、事業のあらゆる場面が変わる。商談、採用、大手企業との取引、仲間集め、そして広告費。私たちが実際に経験してきたビフォーアフターを、できるだけ具体的に描いていきたい。これは誇張ではなく、発信力という資産を手にした人間に、現実として起きていることだ。
興味深いのは、これらの変化がバラバラに起きるのではなく、連鎖して起きるという点だ。発信によって商談の質が上がれば、実績が積み上がる。実績が積み上がれば、大手企業からの信頼が生まれる。信頼が生まれれば、優秀な仲間が集まってくる。仲間が集まれば、発信の量そのものが増え、さらに認知が広がる。発信力は一つの効果を生む単発の施策ではなく、事業全体を押し上げる好循環の起点になる。ここから、その好循環を構成する5つの変化を、一つずつ見ていきたい。
商談 — 「動画を見ておいてください」で商談が始まる
発信力を持つ前の商談は、毎回ゼロからの説明で始まる。自分たちが何者で、何を大事にし、何を実現してきたのか。その全てを、限られた商談時間の中で一から語らなければならない。信頼を積み上げる前に、時間切れになることも珍しくなかった。
発信力を持った後は、商談の景色そのものが変わる。「動画を見ておいてください」の一言で、商談が始まる。相手は事前に発信を見て、こちらの考え方も実績も理解した状態でテーブルにつく。ゼロから信頼を積み上げる時間が丸ごと不要になり、商談は「信頼を作る場」から「条件をすり合わせる場」へと変わる。同じ1時間の商談でも、そこで進む距離がまったく違う。
さらに言えば、発信を見て向こうから連絡してくる案件が増えていく。かつては自分たちから頭を下げて営業をかけていた相手が、今では「発信を見て興味を持ちました」と声をかけてくる側に回る。営業という行為の主導権そのものが、発信を続けた側に移っていく。これは偶然ではなく、発信が24時間365日、休むことなく働き続ける営業担当者になっているからこそ起きる現象だ。
「動画を見ておいてください」で商談が始まる。本書
採用 — DMだけで数百人、母集団は1,000人超へ
発信力を持つ前の採用は、求人広告を出し、応募を待ち、来ない人材に頭を悩ませる日々だった。良い条件を提示しても、そもそも自分たちの存在を知ってもらえていなければ応募は集まらない。
発信力を持った後は、DMを送るだけで数百人規模の応募が集まるようになる。しかも、ただ数が集まるだけではない。発信を見て応募してくる人材は、すでにこちらの考え方や価値観を理解した状態でやってくる。採用面談は「価値観のすり合わせ」から始めなくてよくなり、いきなり実務の話に入れる。さらに、通常の求人媒体とSNS発信を併用すれば、母集団は1,000人超にまで膨らむ。量と質を同時に手に入れられる。これが発信力を持つということの意味だ。
採用のミスマッチに悩む経営者は多いが、その原因の多くは「入社前に伝えきれていない情報量」にある。発信を通じて、日々の空気感や意思決定の基準、失敗談までオープンにしていれば、応募してくる時点でその会社に合わない人はそもそも減っていく。発信は採用広告ではなく、入社前から始まっているオンボーディングだと言ってもいい。
1,000人超媒体併用時の採用母集団
0円自分が広告塔になったときの広告費
大手との取引 — 「動画露出×発言×実績」が、親近感を生む
発信力を持つ前、中小企業や個人事業主が大手企業に営業をかけても、名刺交換すらまともに応じてもらえないことが多い。実績があっても、それを証明する手段がなければ、相手にとってはただの「知らない会社」でしかない。
発信力を持った後は、状況が逆転する。動画での露出、発信を通じた発言の蓄積、そして実績。この「動画露出×発言×実績」の3点セットが揃うと、大手企業の担当者は初対面の時点ですでにこちらを知っており、親近感を持った状態で商談に臨んでくる。かつては門前払いだった相手が、今度は向こうから声をかけてくる。この逆転こそ、発信力が事業にもたらす最も劇的な変化のひとつだ。
確認15入江の場合、番組の企画からNECとZ世代の共同プロジェクトが生まれ、Z世代向けのパソコンを約1年がかりで共同開発した。開発の過程そのものが番組のドラマとして視聴者に届き、NECのプロモーションとして過去一番の反響につながったという。動画での露出と、そこで積み重ねた発言と、形になった実績。この3点が揃ったとき、大手企業との取引は「営業して取りに行くもの」から「向こうから共に作ろうと声がかかるもの」へと変わっていく。
POINT
大手企業が取引先に求めるのは、実績だけではない。「知っている」という安心感だ。発信はその安心感を、営業をかける前に相手の中に作っておくための装置になる。
仲間集め — 「一緒に出よう」の一言で人が集まる
発信力を持つ前、仲間やパートナーを集めるには、何度も足を運び、事業計画を説明し、信頼してもらうまでに長い時間がかかった。良い人材ほど、慎重に見極めようとするからだ。
発信力を持った後は、「一緒に出よう」の一言で仲間集めが一気に容易になる。すでに発信を見て、その人となりや実績を理解している相手にとって、一緒のコンテンツに出演すること自体が魅力的な誘いになる。声をかける側もかけられる側も、信頼構築のプロセスを省略できる。仲間集めのスピードが変わるということは、事業を動かすチームそのものを作るスピードが変わるということでもある。
「一緒に出よう」の一言で、仲間が集まる。本書
広告費 — 自分が広告塔になれば、広告費はゼロになる
発信力を持つ前、認知を広げるための手段は広告出稿かタレント起用にほぼ限られていた。有名タレントを広告塔として起用すれば、それだけで数百万円単位の費用が発生する。中小企業にとって、この金額は簡単に出せるものではない。
発信力を持った後は、この構造そのものが変わる。自分自身が広告塔になれば、広告費はゼロになる。タレントを起用する代わりに、自分が発信し続けることで認知を作る。その分の予算は、商品開発や採用、事業拡大に振り向けることができる。発信力は単なる「認知の手段」ではなく、事業のコスト構造そのものを変える資産なのだ。
タレント起用による広告と、自分自身が広告塔になることの決定的な違いは、契約期間が終わっても資産が消えないという点にある。タレントとの契約は更新されなければ効果を失うが、自分自身の発信で積み上げたフォロワーや信頼は、誰にも取り上げられない。広告費がゼロになるというのは目先の節約ではなく、時間をかけるほど資産が積み上がっていく構造に切り替わるということだ。
商品開発 — 需要を確かめてから、作る
発信力を持つ前、新商品や新サービスの立ち上げは常に賭けだった。ニーズがあるかどうか分からないまま開発費を投じ、在庫を抱え、リリースして初めて市場の反応が分かる。売れなければ、投じた費用も時間もそのまま損失になる。
発信力を持った後は、この順番が逆になる。まずフォロワーや顧客にアンケートを取り、作る前にニーズを確認できる。ニーズがなければ、作らなければいいだけだ。ニーズがあれば、開発を進めながら先行予約を取ることもできる。すでに信頼関係が構築されているからこそ、完成やリリースまで気長に待ってもらいやすく、予約販売で売上を確保してから商品を作ることさえ可能になる。
結果として、在庫や開発費を抱える前に需要を確認でき、マイナスのリスクを限りなく抑えた状態から事業を始められる。広告費を圧縮できる分だけ、利益率も上がる。低リスク・高利益率。発信力はビジネスの勝率そのものを引き上げる資産だと言ってもいい。
作ってから売るのではない。売れると分かってから、作る。本書
立場 — 依頼される側に回り、パートナーとして参画する
発信力を持つ前、仕事はいつも自分から取りに行くものだった。売り込み、条件を提示され、その中で戦うしかない。主導権は常に相手側にあった。
発信力を持った後は、企業や事業者の側から集客や宣伝の依頼が集まるようになる。「一緒に事業をやってほしい」「商品を紹介してほしい」と声がかかる側に回るのだ。集客力を持っているからこそ、単なる出演者や紹介者としてではなく、事業パートナーとして有利な条件でビジネスに参画できる。売上の一部、株式、意思決定への関与。関わり方そのものが変わってくる。
これはオンラインビジネスに限った話ではない。店舗、商品販売、イベント、スクールといったリアルビジネスでも、発信力は等しく武器になる。「人を集められる」という一点が、あらゆる事業であなたを「選ぶ側」に立たせる。これもまた、発信力を持つということの意味だ。
発信力とは、ビジネスにおける無敵状態を作ることでもある。本書
- 商談:「動画を見ておいてください」でゼロからの説明が不要になる
- 採用:DMだけで数百人、媒体併用で母集団1,000人超
- 大手取引:「動画露出×発言×実績」が最初から親近感を作る
- 仲間集め:「一緒に出よう」の一言で信頼構築を省略できる
- 広告費:自分が広告塔になれば、実質ゼロ円で認知が作れる
- 商品開発:ニーズを確かめてから作れる。先行予約で売上を確保してから開発できる
- 立場:依頼される側に回り、出演者ではなく事業パートナーとして参画できる
商談、採用、大手との取引、仲間集め、広告費。事業を動かすほぼ全ての場面で、発信力の有無は結果を分ける。私たちがこの本を通じて伝えたいのは、これらの変化は一部の特別な人だけに起きる奇跡ではないということだ。第7章で描いた3つの道のいずれかを選び、正しく積み上げていけば、誰にでも再現できる変化である。
ただし、正直に言えば、これらの変化は一朝一夕には訪れない。発信を始めてすぐに商談の景色が変わるわけではないし、初日からDMに応募が殺到するわけでもない。私たちが見てきた事例の多くは、数ヶ月から1年ほどの継続を経て、ある時点から急激にこれらの変化が表面化してくる。焦って諦めてしまう人と、淡々と積み上げ続けられる人の差が、最終的にこの章で描いた景色を手にできるかどうかを分ける。
ここまでは、発信力を持つ個人や事業者の身に、現実として何が起きるのかを描いてきた。だが視点を一段引き上げると、もっと大きな地殻変動が見えてくる。これらの変化はもはや「持っていると得をする」という次元の話ではない。発信力・影響力を持たない会社は、これからの時代、静かに選ばれなくなっていく。なぜそう言い切れるのか。次章では、その構造そのものを解剖していきたい。
第9章
選ばれる会社の条件 — 発信力・影響力という経営資産
第8章まで、発信力が事業のあらゆる工程を最短化していく様を、私たちの現場から具体的に描いてきた。ここで一段視点を引き上げたい。これからの時代、なぜ発信力・影響力を持たない会社は「静かに選ばれなくなる」のか。個々の得や損の話としてではなく、市場そのものに起きている構造の変化として、その理由を論じていく。
広告だけに頼る時代は、静かに終わる
誤解のないように言えば、広告そのものが無力になったわけではない。認知を一気に広げる手段として、広告はこれからも有効であり続ける。終わりを迎えつつあるのは、「広告さえ出せば売れる」という前提のほうだ。消費者は広告に慣れすぎた。「業界No.1」「今だけ限定」「満足度98%」——かつて人を動かした常套句は、今や読み流される記号になった。
美しく作り込まれたLPも、完成度の高い動画も、練り上げられた強い言葉も、それだけでは人は財布を開かない。むしろ完成度が高いほど、受け手の中には別の感情が先に立つ。「この会社は、本当に信用できるのか」という不安だ。表現の巧拙で勝負がつく局面は、もう終わりに近づいている。問われているのは、何を言うかだけではなく、誰が言うかになった。
問われているのは、何を言うかではない。誰が言うか、である。本書
AIが、情報の希少性を奪った
この変化を決定的にしたのが、AIの普及だ。今や誰もが、一定水準の文章も、企画も、キャッチコピーも、瞬時に手に入れられる。世の中には、似たような情報が洪水のようにあふれ返っている。かつて情報そのものが持っていた希少性は、急速に失われつつある。整った知識を並べるだけでは、もはや差別化にならない。
では、情報に価値がなくなったのかといえば、そうではない。価値の在りかが移動したのだ。これからの時代に価値を持つのは、情報そのものではなく、情報に、発信者の信用が掛け合わされたものだ。誰がそれを語っているのか。実際にその経験をしてきたのか。どんな実績を積み、言葉と行動が一致しているのか。社会からどう評価されてきたのか。情報の価値が消えたのではない。情報だけでは、足りなくなったのだ。
人は、商品ではなく信用を買っている
そもそも人は、すべての選択を合理的に比較して決めているわけではない。世の中の選択肢は多すぎる。だから人は無意識に判断を簡略化し、「信用」という手がかりを頼りに買っている。同じ内容、同じ価格の商品が二つあったとき、人は名も知らぬ会社より、以前から発信を見て人柄も実績も知っている相手を選ぶ。それどころか、多少高くても、信用できるほうから買おうとする。
ここに、見落とされがちな真実がある。信用には、価格差を飛び越える力があるということだ。だとすれば、発信力・影響力は、商品の外側に貼りつける飾りではない。信用は、商品価値そのものを内側から押し上げる経営資産だ。同じものを売っていても、誰が売るかで、その価値は変わる。
良い商品をつくるだけでは、売れない
もちろん、商品力は前提である。中身が伴わなければ、短期的に売れても長期では必ず信用を失う。ただ、ここで冷静に区別しておきたいのは、「良い商品である」ことと「売れる」ことは、まったく別の問題だという事実だ。知られ、信用され、今それを買う理由が伝わって、はじめて商品は選ばれる。良いものが自動的に選ばれるわけではない。
普段から発信を積み上げている会社は、実は販売が始まる前に、説明の大半を終えている。だから「新しい商品をつくりました」と一言告げるだけで、動く人が現れる。一方、土台のない会社は、商品を出すたびにゼロから説明を強いられる。長いLPを書き、大量の「お客様の声」をかき集め、説明会を開き——毎回、信用をその場で作り直さなければならない。同じものを売っていても、スタートラインが違う。
POINT
普段から発信している会社は、販売前にすでに説明を終えている。発信のない会社は、商品を出すたびにゼロから信用を作り直す。同じ商品でも、売れ方が根本から変わる。
広告依存のビジネスは、毎月ゼロから始まる
広告だけに依存したビジネスには、構造的な弱さがある。広告を止めた瞬間、集客も止まる。つまり、毎月お金を払って顧客を買い続けなければ回らない構造だ。しかもその主導権は、自社にはない。媒体のアルゴリズム変更、広告単価の高騰、表現規制、競合の予算投下、ある日突然のアカウント停止。外部の都合ひとつで、集客の生命線が握られている。
理想は、広告がなくても一定の売上が立ち、広告を使えばさらに伸びる状態だ。そのために、発信で信用をつくり、広告は「信用を拡張する装置」として使う。発信力のある人の広告は、見た人がその名前を検索した先に、過去の発信や実績が見つかることで補強され、成約率が上がっていく。逆に、検索して何も出てこなければ、人は不安で最後の一歩を踏み出せない。発信は広告の代わりであると同時に、広告の効果を底上げする土台でもある。
発信力は、利益率を高める
利益を圧迫する最大の要因のひとつが、集客コストだ。広告費、営業の人件費、代理店への手数料。売上が立っても、顧客を獲得するために毎回お金を払っていれば、手元に残るものは少ない。ところが自分の発信から集客できるようになると、この構造が変わる。一度つくった動画や記事が、長期にわたって顧客を連れてくる。同じ売上でも、獲得コストが低ければ、利益はしっかり残る。
さらに、信用は価格競争からも身を守ってくれる。無名の商品は、価格と機能でしか比較されない。だが信用のある人の商品は、「その人から買いたい」という理由で選ばれる。同じコンサルティングでも、同じ講座でも、誰が提供し、誰が監修するかで、つけられる価格も、受け取られる価値も変わる。発信力は、売上を増やす力であると同時に、利益を残す力でもある。
何度でも、新しい事業をつくれる
通常のビジネスでは、商品を変えるたびに顧客を集め直さなければならない。ところが発信力のある人には、興味深い現象が起きる。顧客が、商品ではなく「その人自身」につくのだ。コンサルティングから書籍へ、書籍から講座へ、講座から店舗へ。提供する形がどれだけ変わっても、「あの人が始めるなら見てみたい」と思ってもらえる。
商品も、仕組みも、価格も、いずれ模倣される。だが、長い時間をかけて築いた信用と、顧客との関係そのものは、簡単には真似できない。それは特定の商品よりもはるかに強い、移動可能な資産だ。事業の形が変わっても持ち運べる資産を持っているかどうかが、続けられる会社とそうでない会社を分けていく。
顧客は、商品ではなく、その人自身につく。本書
発信したコンテンツは、資産として残り続ける
広告と発信の最大の違いは、止めたあとに何が残るかにある。広告は、出稿を止めた瞬間に消える。だが発信は残る。動画も、記事も、SNSの投稿も、書籍も、受けたインタビューも、公開された瞬間から積み上がり、何年後であっても新しい顧客を連れてくる。発信を続けるということは、毎日、新しい「営業資産」を一つずつ積み増していくことに等しい。
発信しない会社は、毎月ゼロから集客を始める。発信を続ける会社は、過去の自分が未来の集客を助けてくれる。この差は、時間が経てば経つほど、静かに、しかし確実に開いていく。今日の発信は、消費されて消える広告費ではなく、明日の自分に働いてくれる資産なのだ。
経営者が発信すると、会社に人格が生まれる
会社の公式アカウントから情報を流すだけでは、どうしても限界がある。人は、ロゴよりも人の顔を覚える。きれいに整えられた文章よりも、本人の言葉に共感する。なぜこの事業に取り組むのか。どんな社会をつくりたいのか。それを語れるのは、組織ではなく、そこにいる人間だ。だからこそ、会社のブランドと経営者のブランドは、これからますます密接に結びついていく。
経営者が表に出ることには、たしかにリスクもある。だが、それを上回る形で、信用も、認知も、人材も、提携の機会も引き寄せられる。経営者が発信することで、はじめて会社に人格が宿る。そしてもし、社員一人ひとりが発信を始めれば、会社全体がひとつのメディアになる。それは、他社が簡単には持てない、大きな競争力になっていく。
発信しないこと自体が、経営リスクになる
紹介、既存顧客、優秀な営業担当、頼れる代理店。これまで会社を支えてきたこれらの経路が、これからも同じように続く保証はどこにもない。紹介してくれる人がいなくなる。顧客が高齢化していく。競合が発信を始める。エースの営業担当が退職する。広告費が高騰する。前提はいつでも崩れうる。そして崩れたとき、頼れる資産を自ら持っていない会社ほど、深く揺さぶられる。
加えて、現代の消費者は、購入する前にまず検索する。会社名、経営者名、口コミ、SNS、実績。そこで何も出てこなければ、相手に不安を与えるだけでなく、「存在しないのと同じ」として扱われてしまう。実力を持つことと、それを正しく伝える力を持つことは、もはや同じ重さを持つ。発信力は「あれば便利なもの」ではなく、持たないこと自体がリスクになった。
発信しないという選択は、静かに進行する経営リスクである。本書
会社を守る、防御力にもなる
発信力が働くのは、追い風のときだけではない。事業を続けていれば、トラブルは完璧には防げない。そのとき、普段から信用を積み重ねてきた会社は、「何か事情があったのだろう」と、少しだけ見守ってもらえる余地を持つ。もちろん、信用があれば何でも許されるという話ではない。誠実な説明と対応が前提であることは言うまでもない。それでも、日頃の信用は、いざというときの緩衝材になる。
不況期には、この差がさらに際立つ。人は支出に慎重になり、安さよりも信用を選ぶようになる。そのとき最後まで残るのは、広告を最も多く出していた会社ではない。普段から信頼されてきた会社だ。発信力は、好況で売上を伸ばす力であると同時に、不況やトラブルのときに関係を守る力でもある。攻めにも守りにも効く資産は、そう多くない。
ただ発信すればいい、わけではない
ここまで発信力の価値を論じてきたが、量さえ増やせばいいという話ではない。設計のないまま発信を続けても、成果にはつながらない。まず定めるべきは、「この人は、何の人なのか」という一点だ。今日は投資、明日は健康、その次は旅行、経営——と無計画に発信していると、受け手はその人が何者なのかを認識できず、記憶にも残らない。
中心となるテーマを定め、「このテーマなら、この人」「この問題で困ったら、あの人を思い出す」と認識してもらうこと。それが出発点になる。ただし、専門知識だけでも足りない。AIが正しい情報を作れる時代だからこそ、価値を持つのは、その人にしか語れない経験と物語だ。なぜ始めたのか。どんな失敗をし、どう乗り越えたのか。何を基準に意思決定してきたのか。誰のためにやっているのか。知識で興味を持たれ、人間性で好かれ、実績で信用される。この三つが揃ってはじめて、強い発信力になる。
最後に残る差は、信用になる
AIによって、競合分析も、模倣も、かつてないほど容易になった。機能も、価格も、LPも、広告の言葉も、放っておけばどんどん似通っていく。差別化がこれほど難しい時代はない。ではその中で、最後に残る差は何か。それは、「誰が言い、誰が提供し、誰が紹介するか」という、信用だ。ここだけは、コピーが効かない。
信用のある人は、選ばれる。価値を基準に自分で価格を決められる。人も、仕事も、情報も、向こうから集まってくる。信用のない人は、比較され、安さで競争させられ、いつまでも自分から追いかけ続けなければならない。発信力を持つとは、顧客を直接抱え、一つの商品が売れなくなっても次へ移れ、市場が縮んでも別の市場へ渡れ、協力者を集められ、マイナスのリスクを抑えながら何度でも事業を作り直せる状態だ。それは、ビジネスにおける「無敵に近い」状態である。失敗しないのではない。失敗しにくいのだ。
だからこそ、私たちは言い切りたい。発信力・影響力は、「持っていたほうがよいもの」ではない。これからの時代を生き残るために欠かせない、必須の経営資産である。では、その資産を、どうやって身につければいいのか。積み上げを一人で抱え込まず、入口から出口まで設計された環境の中で最短化する方法を、私たちはすでに一つの形にしている。結びの「おわりに」で、その答えをお伝えしたい。
おわりに
JPBS — 発信を、事業の力に。
ここまで、3人それぞれの歩みと、発信力が事業にもたらす変化を見てきました。委託して学ぶ道、キャスティングで巻き込む道、自分で学びチームを作る道。そして発信力を手にした先に待つ、商談・採用・取引・仲間集め・広告費の劇的な変化。私たちがこの本で本当に伝えたかったのは、個々のノウハウではありません。影響力が全てを最短化する時代に、あなたがどう立つかということです。そして私たちは、その問いに対する一つの答えを、すでに形にしています。それがJPBS——一般社団法人日本パーソナルブランディング戦略機構です。
SNSの発信を、事業の力に。
JPBSのコンセプトは、私たちが合言葉として掲げる確認8「SNSの発信を、事業の力に。」という一文に尽きます。再生数やフォロワー数を追うことだけを目的にした発信は、私たちが最も避けたいものです。発信は目的ではなく手段であり、最終的に事業を、人生を、前に進めるための力に変換されなければ意味がありません。そして私たちがもう一つ大切にしている言葉があります。「正解は、ひとつではない」。山本のように仕組みでスケールする道もあれば、入江のように他者の影響力を借りて自らのIPを育てる道もあります。桑田のように複数人でIPを立ち上げ、人の人生を変える側に回る道もあります。どの道を選ぶかは、あなた自身が決めていい。ただし、その選択を一人で抱え込む必要はありません。
正解は、ひとつではない。JPBS
JPBSが向き合う人たち
確認10JPBSが対象とするのは、SNSで発信力・影響力をつけたい人のすべてです。これから発信を始める人だけではありません。すでに発信力を持ちながら、それをうまく事業に活かしきれていない人も含まれます。個人か法人かも問いません。例えば——次の一手を探しているインフルエンサー。発信技術を身につけたいビジネスパーソン。発信力を事業に活かしたい事業者。そしてSNSマーケティングを強化したい企業。すでに影響力を持つ人も、これから発信力をゼロから手にしたい人も、同じ場所で、それぞれのフェーズに合った支援を受けられます。これがJPBSという組織の設計思想です。
次の一手を探すインフルエンサーにとっては、これまで築いてきた影響力を、単発の案件収入で終わらせず、事業という永続的な資産に変換する場になります。発信技術を学びたいビジネスパーソンにとっては、我流で遠回りすることなく、実践者から直接、再現性のあるやり方を学べる場になります。発信力を事業に活かしたい事業者にとっては、すでにある実績や商品を、正しく世の中に届けるための武器を手にする場になります。そしてSNSマーケティングを強化したい企業にとっては、社内に発信のノウハウを蓄積し、広告費に頼らない集客の仕組みを構築する場になります。立場は違っても、目指す先は同じです。
4タイプJPBSが向き合う立場の例
100〜200人スモールスタートに必要なファンの目安
山本智也、入江巨之、桑田龍征。確認18この3人を中心に、実際に事業を動かし、実際に発信力で事業を伸ばしてきた実践者たちがJPBSの中核を担っています。机上の理論ではなく、現場で結果を出してきた人間が並走する。それがこの組織の最大の強みです。
私たちが日々向き合っているのは、発信力を「持っている人」と「持っていない人」を単純に線引きすることではありません。すでに影響力を持つインフルエンサーであっても、その影響力を事業にどう変換すればいいか分からず、足踏みしている人は少なくありません。逆に、発信の経験がゼロのビジネスパーソンや事業者であっても、正しい順番で積み上げれば、驚くほど早く成果に到達する人もいます。大切なのは今どこに立っているかではなく、次にどの一歩を踏み出すかです。JPBSは、その一歩を、勘や根性ではなく設計として示す場所でありたいと考えています。
JPBSが掲げる5つの指針
私たちがJPBSの運営において徹底しているのが、次の5つの指針です。
- 「発信力×実業」を支援する——再生数を追わず、事業につながる発信を設計する
- 自分の媒体を持つことの重要性——他人の影響力を借りるだけでは、やめられた瞬間にゼロになる
- スモールスタートの設計——応援してくれる100〜200人のファンがいれば、リターンを期待できる。まずは副業規模から始めればいい
- 出口との接続——Nontitle出演、ReZARDグループ、令和の虎、通販の虎などでの協業。「実際に試せる場」に必ずつながる
- 書籍連動——その道のプロとしての称号を、書籍という形で持つ。「◯◯のプロフェッショナルになって、選ばれろ」
この中でも、私たちが特に強調したいのが2つ目の指針です。他人の影響力を借りるだけでは、やめられた瞬間にゼロになる。この言葉は、入江が24年の事業人生で、身をもって学んだ教訓でもあります。借りる力は、立ち上がりを最短化するための強力な武器です。ですが最終的に、自分自身の媒体、自分自身のIPを持つ人だけが、影響力を消えない資産に変えられます。JPBSが目指すのは、まさにこの「借りる」から「持つ」への移行を、一人ではなく仕組みの中で実現することです。
3つ目の指針、スモールスタートの設計についても、私たちは強くこだわっています。発信力というと、何十万人ものフォロワーや、何百万回もの再生数を思い浮かべる人が多いはずです。ですが実際に事業へリターンをもたらすのは、そこまでの規模である必要はありません。本気で応援してくれる100〜200人のファンがいれば、商品は売れ、仲間は集まり、事業は動き始めます。JPBSでは、いきなり本業を賭けるのではなく、まず副業規模で小さく始め、小さな成功を積み重ねながら規模を拡大していくことを勧めています。この設計があるからこそ、発信初心者でも過度なリスクを負わずに一歩を踏み出せます。
POINT
JPBSは「バズらせる技術」を教える場所ではありません。発信を事業につなげ、最終的に自分自身の媒体という資産を持つところまで伴走する場所です。
JPBSの成功法則 — 入口から出口までの5フェーズ
私たちがJPBSに用意しているのは、発信力ゼロの人が、影響力を事業の力に変えるまでを一気通貫で支援する、5段階の成功法則です。多くの発信支援サービスは、教育か、露出か、マッチングか、どれか一つの機能に特化しています。ですがそれでは、学んだ後の「じゃあ次は何をすればいいのか」という壁に、結局ぶつかってしまいます。JPBSが目指しているのは、その壁を作らないことです。入口で学び、伴走してもらいながら実践し、露出で一気に加速し、コミュニティの中で機会を得て、最終的に事業として結果を出す。この5フェーズは、バラバラの施策ではなく、ひとつながりの道として設計されています。
教育 — 発信力の獲得
発信力を持たない人が、まず発信の方法そのものを学ぶフェーズです。何をどう発信すれば、事業につながる形で届くのか。基礎となる考え方と技術を、実践者から直接学びます。
運用代行・伴走支援
学んでも自分では手が回らない人のために、ジャンル別の運用代行につなぐフェーズです。Instagram運用、ショート動画制作、YouTubeの内製化支援など、事業や人によって最適な形を選び、伴走しながら発信を育てます。
露出ファストパス
令和の虎、通販の虎への出演、新番組の冠スポンサーなど、すでに影響力を持つメディアへの露出を通じて、お金と実力の両輪で影響力そのものを最短獲得するフェーズです。独力では何年もかかる認知拡大を、一気に圧縮します。
アンバサダーマッチング
影響力を持った受講生と、インフルエンサーを起用したい企業とをマッチングするフェーズです。個人が力をつけるだけでなく、コミュニティ全体が価値を生み出す構造になっていきます。
事業スケール支援
影響力を獲得した後は、組織の左腕としての組織化と採用、そして山本による事業プロデュースを通じて、SNSを起点にした事業スケールを一気通貫で支援するフェーズです。発信で終わらせず、事業として結果を出すところまで伴走します。
あなたに、伝えたいこと
この本を最後まで読んでくださったあなたに、私たちから伝えたいことがあります。私たちが生きているのは、影響力が全てを最短化する時代です。同じ努力量でも、発信力を持つかどうかで、届く距離も、動くお金も、集まる仲間の数もまったく変わってきます。この現実から目を背けて、これまで通りのやり方だけで戦い続けることもできます。ですがそれは、毎回ゼロから消耗戦を挑むようなものです。
私たち自身、最初から今の場所にいたわけではありません。無名のホスト経営者だった人間がいます。他人の影響力を借りることしかできなかった人間がいます。SNSの仕組みすら知らなかった人間がいます。それでも、正しい順番で一つずつ積み上げてきた結果、今こうしてこの本を通じてあなたに語りかけています。だとすれば、次にその場所に立つのは、あなたであってもおかしくありません。
統合発信力がないなら、今日から手にすればいい。委託してもいい、巻き込んでもいい、自分で学んでもいい。大切なのは「何を感じたか」よりも「次に何をするか」です。あなたに合った一歩を今日踏み出していただけたなら、この本の役目は果たされたことになります。そして、その一歩を一人で踏み出す必要はどこにもありません。教育から運用支援、露出のファストパス、アンバサダーマッチング、そして事業スケールまで。入口から出口まで、すでに設計された場所があります。それがJPBSです。
山本、入江、桑田、そして私たちと共に歩んできた仲間たちは、今この瞬間も、発信力ゼロだった人が事業を動かす側に変わっていく姿を見続けています。次にその変化を体験するのは、あなたかもしれません。SNSの発信を、事業の力に。正解は、ひとつではない。だからこそ、あなたに合った道を、私たちと一緒に見つけてください。あなたの発信が、あなたの事業を動かし始めますように。
山本智也・入江巨之・桑田龍征
新設
Join JPBS
あなたも、発信を事業の力に変えませんか。
一般社団法人日本パーソナルブランディング戦略機構(JPBS)は、発信力の獲得から事業スケールまでを、入口から出口まで一気通貫で設計する影響力インフラです。
教育で発信力を身につけ、運用代行で伴走し、令和の虎・通販の虎・Nontitleといった「実際に試せる場」へ。そしてアンバサダーマッチングと事業プロデュースで、影響力を売上に変えていく。
正解は、ひとつではない。
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SNSの発信を、事業の力に。 — その第一歩は、ここから。
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